第15回「先輩音楽人に聞け!」は、矢堀孝一さんです。
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■矢堀孝一(やぼりこういち)ギタリスト
1965年生まれ。大学時代にギタリストの布川俊樹に師事し、ジャズ・ギターを学ぶ。
92年水野正敏氏と出会い、菅沼孝三氏とともにFRAGILEを結成。
その後、Fazjaz.jpやソロでも意欲的に活動。その超絶的なテクニックとセンス
で注目を集める。
ギタリストの育成にも力を入れており、JAZZ LIFE連載「犬で
も弾けるJAZZ GUITAR」、シンコー・ミュージック「ジャズギター・コンプリー
ト・コレクション」、Yamaha Music Media「ギター理論読本」その他を執筆。
「リットー・ミュージックDVD「JAZZ GUITARの常套句」他も製作。音楽学校メー
ザー・ハウスにて講師も務める。
オフィシャルホームページ http://www.uprize.jp/yabori/
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文・インタビュー 佐藤ヒロオ(さとう ひろお)
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1962年9月18日生まれ。
毎晩、トッププロミュージシャンが演奏していることで全国的に知られるライブハウス「荻窪ルースター」のオーナー。著書「荻窪ルースター物語」、「ライブハウス
オーナーが教える絶対に盛り上がるライブステージング術」(ポット出版)がある。 |
荻窪ルースター http://ogikubo-rooster.com
★バンドで花形と言えば、ギター。
ギターソロの中でも目立つのは速弾きですよね。
速弾きできるギタリストはちょっと憧れちゃったりするものです。
音楽人読者のギタリストのみなさまの中にも速弾きができるようになりたいと
思っている方も多いのではないでしょうか?
では速弾きはどうしたらできるようになるのでしょう?
でもその前に速弾きはどういう風に弾いているのか?
またなぜ必要なのか?
実は速弾きの意味を理解できるようになるととても音楽の幅も広がる?
気になりますよね。
その辺をギタリストの矢堀孝一さんに伺ってみました。
■一般的にはギタリストの速弾きってかっこいいなって思う人が多い気がしますが、速弾き大得意の矢堀さんとして、その辺はどう感じていますか?
えーと、私は常に速弾きしているわけではありませんよ(笑)。
たしかに速弾きってかっこいいですよね。でも、それにちゃんとした裏付けがないとあまり意味を感じないというのが正直なところかなあ。
私の場合は速弾きは人の役に立つために弾いていますので(笑)。
■え? 人の役に立つための速弾きですか?
そうですね。たとえば、ドラム、ベース、ギターのトリオ編成でギターソロをする場合、ギターがソロをとると、コード弾いている人がいないわけです。
つまり、ギターソロが始まるとコード感が伝わりにくくなる。
だからってギターソロなのにコードだけを弾くっていうのもなんですよね。
そこでコード感を出すギターソロを弾こうと心掛けるわけです。
これ、リスナーにとってはわかりやすくなる。
とても重要ですよ。
■なるほどコード感を出すギターソロですね。
でもそれと速弾きとはどういうつながりがあるのでしょうか?
よりコード感を出すために速く弾くということです。
ベースのルート音の上にど ういうコードがのっているのかを表すにはコードを弾くのが一番わかりやすいけれど、ソロでそのコード感を感じてもらうのには短音を速く連続させるのが効果的。
そのコードにテンション入れましたよ、とかね。
ソロなのにコード感もあってさらに分厚くなった気がするんです。
■コードに対するギタースケールを弾くということですね。
そう。だから理論とか知ってないとちょっと厳しいかなあ。でもね、スケールはいずれ通らなきゃならない道なら避けては通れないかもですねえ。
知っている人と知らない人のソロは聴いたらすぐにわかっちゃいますから。
■それって独学では難しいものでしょうか?
そんなことはないですよ。私の教則本とか読んでもらって(笑)。
あ、最近いいのあるんですよ。デジフォートというサイトの「yABORi CLUB〜ABCスケール編〜」がそれなんです。
これ動画なんですけど、315円ですから。
■これをダウンロードして見ればいろんなスケールがわかってしまうわけですか?
難しいことなしで「なるほどね」ってわかってしまう方法が実はあったんですが、なんだかそれを誰も発表してなかったんですね。
それを密かに発売しております(笑)。
多くの方は好きな曲を耳でコピーしたり、タブ譜で弾いたりとかされていると思いますが、その前になるほどこのソロはこういうことなのかってスケールを理解していたい。
それが理解できれば他の曲でも活かせますから。
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