★だから自分が本当に欲しい音が出るエフェクターって他人じゃ作れない。
自分にしか作ることができないってことなんです。
■では実際に使ってみてその魅力はどんなところでしたでしょうか?
単純に言えば、エフェクターで景色が変えられるぞみたいな感じですね。
さっきも言ったようにアンプとギターだけである程度こなせちゃうんです。でもね、どうしてもエフェクターじゃなきゃ無理ってことがいっぱいあって…。
自分のギターの腕前だけではどうにもならない音の世界がエフェクターという味方を付けるだけで可能になる。
極端な話、キーボードみたいな音もギターで出せるとなると、演奏の表現方法が半端じゃなく広がるわけですから。
もう魔法の箱みたいですよね。
■今ではなんとご自分でエフェクターを作られていて、しかもそれが楽器屋さんで販売もされているそうですね。
そこまでに至るには相当な研究をされていたのだと思いますが、その辺はどうでしょう。
米米CLUBでギターを弾いているわけなんですが、曲がすごくバラエティに富んでいるんですね。
そうなるとギターの音もいろんな音を出さなくてはならない。やっぱり、エフェクターは重要なわけです。
それに自分のギターの音は自分で管理していたので、仕事という意味でもいろいろ試しては研究し始めたわけです。
ところが、それから随分経って知り合いのギタリストが自作のエフェクターを使っているのを知ったんです。
本格的にのめり込んだのはそこからでした。
■のめり込むというとどういう感じなのでしょうか?
エフェクターを自作するなんてすごいなあって思って…。
だってエフェクターの原理みたいなものがわかってこそ自作できるわけですからね。
でも、本当にすごいと思ったのはその知識があることじゃないんです。
どういうことかと言いますと、自分の欲しい音って結局自分にしかわからない。
だから自分が本当に欲しい音が出るエフェクターって他人じゃ作れない。
自分にしか作ることができないってことなんです。
■なるほど、それはすごいですね。
で、それなら僕もね、頭の中にはあるんです。こういう音っていうのが、で、それを作ってみたくなったわけです。
これも、あれこれ市販のエフェクターを使ってみたのが幸いしたとも思うんです。
うーん、これ微妙に自分の欲しい音と違うよなあとか、そういうのを積み重ねてきたわけですから。
本当に少しの差なんですけどね。
だから市販のエフェクターじゃなく、自分だけのエフェクターが欲しくなった。
でも果たして自分に作れるのだろうか?
まずはエフェクターのことを知らなければならないぞって思ってあれこれ分解してみたり、そんなところからスタートしたんです。
とは言っても小学校の時にラジオの工作をして音が鳴らなかったという経験を持っていましたので(笑)、電気の知識があったわけじゃない。
なのですごく勉強しなければなりませんでしたけど…。
■そういう流れがあったんですね。
さすがに読者の方に自作してくださいっていうのはあまりにも大変な話ですので、まずは得能さんからエフェクター選びのコツみたいなものがあったら教えていただきたいのですが。
エフェクターを探す時ってみんな楽器屋さんに行くでしょ。すると本当にいろんなのがある。
だからあれもいいなこれもいいなって試しに音を出すたびに思っちゃうんです。
最近はさすがにいいのがいっぱいありますからね。
でもね、そうじゃないんです。楽器屋さんに行く前に自分がどういう音を出したいのか、これが自分でわかっている必要があるんです。
たとえば、自分が好きなギタリストがいて、その人の音を出したいと思ったら、まず、サイトとかで調べる。
それでもわからなかったら、その人の音を録音したものを楽器屋さんまで持って行って店員さんにヘッドホンで聴いてもらう。
で、この音が出るエフェクターってどれですか、みたいに質問をしちゃう。
これがいいと思いますよ。
■楽器屋さんには詳しい人がいますものね。ギタリストの名前を告げただけでも、ああ、あの音はねー、とか教えてくれそうですね。
いい人に当たれば親切に教えてくれるかもしれませんね。
あとね、楽器屋さんが忙しそうな時は避けて、暇そうな時間に行く。
そうすると向こうも暇だから相談に乗ってくれやすい。
それと、本当は自分のギターを持っていくべきだと思います。
楽器屋さんの用意してくれたギターと自分のギターでは音が違いますからね。
でもね、向こうも商売だからこれも買ったほうがいいよとか言い出す可能性もある(笑)。
そんな時は、ちゃんと予算を告げたり、今欲しいのはこの音だけなんで、とか意見をしっかり言えるようにしておきたいね。
そのためにも自分の欲しい音は自分でしっかりわかってから楽器屋さんに行くってことなんですよ。
あと細かいことになってしまうけど、同じような音が出るエフェクターを何個か試して選ぼうとする際にはいっぺんに全部を並列につなげてオンオフして比べるのではなく、面倒でも一個ずつ、つなぎ変えてそれぞれチェックすることかな。
いっぺんに並べてつなげちゃうと音が少し変わっちゃうからね。
■最終的には自作してほしいですか(笑)?
いやいや、そこまでは(笑)。
僕はいろんなエフェクターを試してきたから言えるけど、最近のは本当によくできているし、普通に使う分には問題ないと思います。
エフェクターだけの話になるとちょっと視点がぼやけちゃうかな。
ちゃんと伝えたいのは、まずエフェクター無しでも自分の音が出ること。
まずこれが先。で、そこに色を足すためにエフェクターを使うってこと。
有名なギタリストたちってみんな自分の音やスタイルがある。
たとえギターやアンプを変えたとしても、結局その人の音がする。
面白いですよね。
だから読者の人たちにもその人ならではの音がきっとあるはずなんだよね。
ギターを弾く上でそれを模索していくってことも実はすごく面白いことでね。
だからずっと楽しみは尽きないはず。
で、最終的にはやっぱり僕みたいにエフェクターを自作しちゃう人も出てきたりして(笑)。
もしも、そういう人が出てきていつかお会いする日がきたら、こう言ってしまうかもね。
ねえ、それ分解してみていいですかって(笑)。
□得能律郎 plum-beansブログ
http://plum-beans.seesaa.net/archives/20111104-1.html
□ 荻窪ルースター
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2013.本物に会いに行こう!!@荻窪ルースター
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未定
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