★お互い何やっている人なのか知らん状態から仲間になるってなかなかないでしょ。
損得抜きの付き合いやね。うーん、美しい。
■ブルースには3コード以外の曲もありますが、そういう曲でよくやる曲というとどうですか?
そうやなあ。3コードじゃないのは「Stormy Monday」とか「Ain't
Nobody'sBusiness 」はよくやるかな。あと「Route 66」はジャズのブルース進行でやる人もいるね。
でもさっき言ったように最初は知らんでもええねんな。
徐々に現場で覚えて行く楽しみってあるんよね。「あの曲は誰のCDを聴けばいいですか」とか人に聞いたりしてね。
■定番中の定番の曲ばかりですね。
えーと、曲を伺うと黒人のブルースになりますよね。
僕がリーダーさせてもらっているライブハウスでは、どこもみんな黒人ブルースが中心になってますね。
曲名言えば慣れてる人はみんなわかってくれるからセッションしやすいし、でも「Crossroad」をクラプトンがやっているようにやる人もたまにいる。
セッションやし、絶対黒人流にしなければいけないわけじゃないから、そこは自由やと思うな。
■やっている曲名をあげてもらいましたけど、読者の中には「初めて聞く曲の名前だ」という人もいると思います。
そういう人はおそらく「全然知らないし不安だな」と思うかもしれません。
そうした方々の背中を押してあげるとすればどういう言葉を投げかけますか?
僕のやっているセッションには毎回初参加の人がやってきますけど、その中にはブルースを普段まったく聴いたことがないという人も大勢います。
でもね、最初は緊張してるんだけど、だんだん溶け込んでくる。
向上心なんでしょうね。うまい人にいろいろ教えてもらったりしてますよ。
でね、その人が次に来たときに「ちょっと練習してきたのかな」みたいなのがわかるのね。するとおじさんとかが「お、うまくなったねー」とか声掛けてくれたりするんです。つまりね、誰にも最初の日があるの。
ベテランだって初心者だった。僕がやっているセッションはどこでも初心者には優しいねんな。うまくないとステージ上げないみたいになると閉鎖的でいかんと思う。
■ではブルースセッションに行くとどういうメリットがありますか?
メリットはいっぱいあるな。
まず人前で演奏する機会が増える。これってステージ慣れするのには一番いいねん。やっぱりステージで演奏するのが普通になれば余裕も出てくるし。
余裕が出てくれば実力も出せる。
それからうまくアンサンブルができるようになるかな。
■あ、そのアンサンブルについて説明してもらっていいいですか?
簡単に言うと歌を歌っている部分はボリュームを押さえてバッキングしたり、ソロの部分ではガーンと弾いたりとか、全体の演奏のバランスが取れるようになる。
たとえばね、周りがいっせいにボリューム下げてるのに自分だけ大きいままだったら気が付くでしょ? だから周りの音をちゃんと聴くようになる。
で、自分もその音量に合わせようとするわけ。
うまい人ってバンドの音量までコントロールしちゃうんだよね。
ちなみに自分がステージにいない時もセッションだから次々に他人の演奏を聴ける。
だからそれを見ているだけでもなるほどなって発見がいっぱいあるんです。 ■演奏面以外でのメリットというとどんなことがありますか?
ブルースセッションに来る人って老若男女なんです。
普段おじさんは若い人となかなか会話する機会ってないんですけど、セッションに来ると誰とでも気軽に会話できるから、そういうこともメリットとしてあるかな。
逆に若い人はおじさんに就職について相談したりできたりね、人生の先輩がいっぱいいるし。
あ、若い女の子と知り合いになれるのはおじさんとしてはすごいメリットかな(笑)。仕事のストレス発散のために来てるおじさんもいますな。
■おじさんよりもむしろ若者(笑)のメリットは他にありますか?
ああ、つい自分の話をしてしもうて。若者は若者同士で友達も作れるねんな。
セッションの場では普段何やっているとかまったく関係ない、学生も社会人も先輩も後輩もないねん。
お互い何やっている人なのか知らん状態から仲間になるってなかなかないでしょ。損得抜きの付き合いやね。うーん、美しい。
■面白いエピソードとかあったりしますか?
セッションで知り合ってバンド組んだっていう人、けっこう大勢いるかな。
セッションは次から次から人が変わるでしょ。だから「あの人とやりたいっな」って、見つかるのも早いしね。
あとね、セッションで知り合って結婚したカップルが何組かいるんや。
ほんまですよ。まあ、結婚相手を探しに来る場所ではないことは確かなんやけど(笑)。
■では最後にセッションに行ったことのない方々にメッセージを。
よく音楽で会話するとか言うやんか。
セッションってまさにそれ。いつも同じ人としか会話せんより、多くの人と会話したほうが自分の器も広がる。
だからぜひ気軽に参加して欲しいな。で、ちょこっとでもブルースが好きになってくれたら嬉しいねんな。
□ 荻窪ルースター
http://ogikubo-rooster.com
2013.本物に会いに行こう!!@荻窪ルースター
TEL:03-5347-7369
毎週月曜日は荻窪ルースター2号店、
「ルースターノースサイド」にてブルースセッ
ションの
セッションリーダーをしています。
19;00〜23:00
参加費500円+オーダー
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