★出した答えが正解だったって思えるような自分になる
■凄い事?
テレビ番組の制作会社に入ったんですけど、たくさん音楽好きな人がいたんですね。
あるビデオを作っていたんでけど、その完成記念ライブをしようってことになってバンドを結成したんです。
そのライブで見てくださったある人が私をレコード会社の人に紹介してくれて。
それが縁でIWハーパーのCMソングを歌うことになったんです!
しかもレコーディングはLA!
■うわ、またアメリカですね。でも何が縁になるのかってわかりませんね。
そうなんです(笑)。
もうびっくりしちゃいました。
でもずっと歌っててよかったです。
その年、テレビ番組「さんまのまんま」エンディングテーマ曲で正式にデビューできました。
そこからCMソングとかいろいろやらせてもらえて。
■ピザ屋さんのCMにはご自身も出てましたね。
はい、ピザの上でくるくる回ってました(笑)。
■歌の方が忙しくなってきたと思うのですが、テレビの制作会社のほうはどうされたんですか?
有給使ったりしてしばらくは両立してたんですけど、音楽活動に専念するために退社させていただきました。
でもずっと絶好調ってわけにはいかなかったんです。
うまくいかない時期が続くとなんか落ち込んだりしちゃいますよね。
歌えるだけでも幸せとは思うけれども、停滞しちゃってるとこの先大丈夫かな、とか心配になったり。
■なるほど。人生山あり谷ありですね。
この「先輩音楽人に聞け」ではこれまでプロとしてやっていくにはどうしたらいいかをいろんな方にお話を伺いしてきたのですが、ナツコさんはそのときどうされたんでしょうか?
本当にどうしようってなっていたんです。
そういう時にはこうすべきとか、自分が教えてもらいたいくらいでしたから。
どちらかというと結果的にそうなったみたいな話なんですけど。
実は私、またやってきたんです。
転機が。
時の流れにまかせていたら、またまた転機が来た感じです。
■ぜひ聞かせてください。
そもそも私、オリジナルの歌詞を書いていたんです。
もちろん自分で歌うために。
ところが、ある時から男性とのツインボーカルのバンドを始めまして。
「彼にはこんな歌を歌ってもらいたいな」って。
で、詞を書いて歌ってもらうことにしたんですね。
■女性のナツコさんが男性が歌う歌詞を書くわけですね。
はい。
私は女性ですけど、だからこそ「男性にはこうあってほしい」って気持ちが込められると言うか。
で、ある日、そのバンドのライブを聴いてくれた人が「作詞のコンペに出してみない?」って誘ってくれて。
■コンペですか。どんな方に歌ってもらえたんですか?
一番最初は少年隊のミュージカルの曲でした。
それがきっかけでジャニーズ系のグループに歌っていただけるようになって。
■すごいですね。シンガーソングライターから作詞家への転身というか、両方になったんですね。
でも、私、ツインボーカルのバンド以外では歌詞って自分が歌うために書いていたから、まさか作詞がお仕事になるなんて思ってもみなかったんです。
嬉しかったですね。
でも、コンペっていうのは1位にならないと取り上げてもらえない。
2位じゃだめなんです(笑)。
選ばれてもシングルやアルバムに入らないってこともあるので、それはもう一生懸命作詞しましたよ。
■それってある意味、もうひとりの自分が認められたって感じですね。
そうですね。自分の書いた歌詞がラジオとかで流れてくると嬉しいものですね。
ジャニーズの人たちのコンサートに行くと女の子達がキャーってなるじゃないですか。
横にいるその女の子に「この曲、私の歌詞なのよ」って言いたくなっちゃう(笑)。
■ナツコさんの場合、自分が歌う事でやってきたけれど、自分の分身のような歌詞が一人歩きできるようになったんですね。
歌う事も作詞する事もどっちも私みたいな感じです。
その代わり、産みの苦しみじゃないですけど。
そういうのはあります。
■音楽人の読者の方にナツコさんからアドバイスをお願いしたいのですが。
そんなー。私、アドバイスなんて言えませんけど(笑)。
■何かありますよね(笑)。
そうですね、あえて言うとしたら、人間ってひとつの事しかできないわけじゃないってことかもしれません。
ひとつのことをするためには他の事もしていると思うんです。
ギター弾いて歌う人がいたら、歌もギターもやっているわけですし、曲も作っていたらそれもだし。
人って目指す方向だけ見ちゃうことってありますものね。
だから自分でも気が付いてないこともあるかもしれません。
■そうですね。私、本業はライブハウスなのに、こうしてインタビューもしてる。気が付きませんでした(笑)。 ナツコさんの場合は才能を認められてチャンスが来たわけですけれど、その辺りはどうお考えですか?
私は出会いってとても大切だと思います。
自分からチャンスを掴みに行って、もしもダメでもあきらめなくてもいいかもしれません。
だってチャンスっていつどこから来るかは、わからないですものね。
それとは反対にいつまでも夢を追いかけるのって世間的にどうなんだろうとかありますよね。
でも人からどう思われても関係ないって思えたらそれでいいし。
自分の正解って人にはわからないものだと思うんです。
やれるところまでやるのも正解だし、違う事を始めるのも正解。
それを最終的には自分で決定して、出した答えが正解だったって思えるような自分になるってことだと思います。
今日はありがとうございました。
□ 荻窪ルースター
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