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KOTEZ&YANCY(コテツ&ヤンシー)「interview」
---ブルースハープとピアノという珍しい編成のユニットですが、まずは、結成のいきさつを教えてください。
荻窪のROOSTERというライブハウスがオープンして、オーナーがブルースなどのルーツミュージックをカラーにしたいというので、KOTEZくんがその大役を任されて僕がKOTEZくんに呼ばれた訳です。
---結成当初のコンセプト等を教えて下さい。
バブル崩壊後の景気が最も悪い時ですから、出来るだけメンバーを少なくということで仕方なく二人でした。それでも二人だけでもバンドよりも目立ちたいと思うようになって。それじゃ二人でどこまでファンクできるかって?そんな感じのスタートです。
---かなりの数のライブをこなしたそうですが、やはりライブから学ぶ事は多いのでしょうか?
その経験は今のKOTEZ&YANCYにどう反映されていますか?
とにかくリハーサルする暇がないほどライブをこなしたので、すべてがライブから生まれてきたといってもいいくらいです。
具体的にはKOTEZ&YANCYの個性はそのグルーヴするリズムだと思っていますが、二人だけでもすごくグルーヴできて、リスナーも同じグルーヴで盛り上がれるという感覚はライブで鍛えられたものです。他にもあげたら切りがないのですが、お客さんとの距離感の扱い方や次第にみんなが一つになっていくような流れがつくれるようになったのもだいぶライブを繰り返してきた後です。
---新作の話に移りましょう、前作『ORGANIC
MUSIC』では、バンド編成でヤンシーさんのオリジナルも3曲収録されています。今作は何故、ブルースハープとピアノのみで、ほぼ全曲カヴァーという構成になったのでしょうか?
ファースト、セカンドともバンド編成で楽曲もオリジナルもありましたし、カヴァーにしても僕はアレンジすることが好きなので、新鮮にきこえたり、その曲の別
の面が見えるようにと思っていましたが、その頃からずっとライブでは二人きりでの演奏をしてきました。
ですから二人だけで演奏する準備ができあがったということです。二人だけの個性あるデュオスタイルが完成されていって、今まさに完成型だなと二人ともが納得できたんです。ずいぶん時間がかかりましたが意義のある時間だったと思います。
完成型を見返すと二人にとってブルースやジャズ、 ソウルミュージックやゴスペルなどがいかに大きな存在であるかあらためて思い知らされました。
そこで全曲カヴァーでそういったリスペクトしてきた音楽、ライブで扱ってきたカヴァー曲をライブと同じテンションで記録できないかと思ったわけです。
---カヴァー曲の選曲はどのような感じでおこなったのでしょうか?
ライブではそれぞれが勝手にやりたい曲を持ち寄るというきわめてゆるーい間柄ですのでお互いが持ってきた曲をライブでとにかく演奏します。そうしてあまりよくなかったものは自然にレパートリーから消えていくので、その過程を通
して残った曲が今のレパートリーなわけです。ライブでよくとりあげた曲が今回CDになりました。
---今作は一発録りという事ですが、レコーディングはどのようにしましたか?
とにかくライブの緊張感や勢い、スピード感をそのままCDに記録したかったのですべて一発録りで、さらに細かいところまで全部聴こえるように、録音自体もエンジニアさんにお願いして非常に手をつくしてもらっています。聴いていただければわかると思いますが、とてもクリアーに録音されています。
---ピアノは低音域を含め、非常に綺麗にとれています。マイキング等で特別
な事をしたのでしょうか?
それは秘密です。ってこともないですが、ピアノ自体も低域がパワフルかつ分離のいいスタインウェイのモデルDを使っていて、しかも3台のモデルDから選ばせていただいたのですが、僕が選んだ一台は実はジャズやポップス関係の人が好む音色ではないのです。
どちらかというとクラシックの人が好む音かもしれません。僕の演奏スタイルや僕にとってのピアノの音のイメージがその一台を選ばせたのですが、ジャズやポップスに特有な中音域が強いピアノより、よりレンジの広く響くピアノが好きなんです。
演奏も一番下から最上音まですべて使うほうですし、そう考えると共鳴板より弦の鳴りが僕にとっては重要なわけです。そうやって選んだバランスのいいピアノをピアノだけで6本のマイキングをしたおかげでものすごくリアルな音像で記録できたと思います。
---今作では、これまで以上に、KOTEZさんのハイ・トーンヴォーカルが光っています。KOTEZさんは当初からこのようなハイ・トーンのヴォーカルスタイルだったのでしょうか?
よく訊かれることなんですが、KOTEZ&YANCYはライブの最中に曲目を決めます。事前に一切決めないんです。みんなの反応をみて次の曲が決まっていくので、そんなやり方なので僕がキーを間違えてイントロ弾いちゃったりするんですよ。ライブだからやめる訳にはいかないわけです。
それでKOTEZくんもその高いキーで一曲歌い切るわけです。そんなことが度々あって今のようなハイトーンになりましたというかなってしまいました。
---アレンジをヤンシーさんが担当していますが、どういった所に重点をおきましたか?
すべて基本は一つです。二人で何ができるかです。
---TALK
TO ME BABYのような、ブルースの曲でも、泥臭くなく透明感のある、KOTEZ&YANCYサウンドとも言うべき、仕上がりになっています。サウンドデザインや、アレンジ等を含め、トータルな狙いはありましたか?
狙いはないですが、ピアノとハーモニカという編成だからというのはあります。
もともとの二人のスタート時点で、ブルースといっても泥臭くて、酒臭くてみたいなのではいやだという思いはあります。スタートした当初はこれはブルースじゃないとかジャズじゃないとかいろいろな外野の意見もありましたが、現在はKOTEZ&YANCYが演るとこうなるという明確なスタイルが確率できたことはとても嬉しいです。
本物に似ているかどうかなんて僕らにとってはナンセンスですから。KOTEZ&YANCYらしいと言われるともっとも舞い上がるわけです。
---今作でのKOTEZ&YANCYはリズム隊がいないにもかかわらず、強烈なグルーヴを感じます。リズムに関して、工夫している事はありますか?
さっきの話とかぶるのですが、リズムこそがこのデュオの個性だと思っています。二人でもこんなにグルーヴできるんだって。その感覚を拡大すればいいわけです。
要するにリスナーにもリズムを数えてもらうのです。こちらが出しているリズムが、音がブレークしている最中でもみんなに伝わるようにするわけです。
どうするかと いうと、すごくいいグルーヴのリズムを正確に打ち出し、繰り返します。そうするとあっという間にみんながそのリズムに加わってくるんです。その時点でリスナーの頭の中にリズムが鳴っていて、それが僕の頭の中のリズムとリンクするわけです。
一度リンクすれば 演奏がブレークしようがずれません。もしずれそうになったら要所、要所で僕のリズムを強調して伝わるようにします。KOTEZくんとはとにかくリズムやグルーヴが気持ち悪いぐらいリンクします。たまに夫婦なんじゃないかと、冗談ですが。お互いのクセを熟知しているんでしょうね。
演奏の最中にキメや転調をアドリブで入れたりするのですが、なぜか同じキメが同時に出たりなど驚きです。小曽根 真さんがご自分のバンドメンバーに
同じようなことをおっしゃってましたが、まさにぴったりあった時などは『ウォーー』ってなりますよ。
---ヤンシーさん自身はルーツミュージックとどのように出会ったのでしょうか?
僕はブルースブラザーズの映画をテレビで見てからです。それまでブルースなんてまったく興味がありませんでしたが、まさにその瞬間稲妻に打たれたみたいな。まったくもってベタですが、真実です。
---現在、ヤンシーさんはソロを含め、『CRAZY
FINGERS』等、いくつかのプロジェクトで活動しています。その中でKOTEZ&YANCYはどのような位
置付けでしょうか?
そうですね、二人だけですがこれが僕のホームでありルーツだと思います。本当にいろんなところで鍵盤を弾くようになりましたが、どこで、どんなジャンルの音楽を演っていようと僕のルーツにはこのDUOで覚えたブラックミュージックのエッセンスがあると思います。
---今後の活動予定を教えてください。
そうですね、今のスタイルを続けていきたいですね。いろんなバンドやプロジェクトを並行していますが、そのどれもが僕そのものです。いろいろトライしてまたその糧をKOTEZ&YANCYにフィードバックできたらと思います。
さらに今年はまた考えていますよ。
でもまだ内緒です。すいません。
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