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POTSHOT

ここまで悩んでる姿をメンバーに
見せたのは、たぶん初めて。

●解散の話とニューアルバムの話は、切り離せない話ですよね。

「まぁ、そうですね」

●レコーディングを始めたのは、いつ頃ですか?

「2003年の暮れですね、1年半ぐらい前。ちょうど前のアルバム(03年『SIX POTSHOT ROCKERS』)のツアーの合間とか。その時は普通に、どんなアルバムを作ろうとかじゃなく、たまたまスタジオに入る機会があったので、ちょっとずつ録っていこうかなって感じだったんですよね。ちょうどクラッシュトリビュートか何か…ニューロティカだったかな? トリビュートを録音しなきゃいけないっていうのがあったから、せっかくだから新曲も録っておこうかって感じで。それが2003年の12月」

●アルバム全体のイメージはなくて、断片を1曲ずつ仕上げていく感じ?

「そうですね」

●流れとしては前作の時点で、ポットショットはスカパンクじゃなくてはいけないというところから一段落したというか、自分たちなりの答えを見い出して、ブリティッシュビートとかも取り入れ始めていたわけですよね。
「あぁ、そうッスね。で、そのツアー中におかしくなったんですよね、たぶん。自分は、そういうコンセプトなり新しいポットショットで勝負したかったし、実際勝負してたんですけど、でも盛り上がっちゃうのは昔の曲で…。要は、悩んでツアーが終わっちゃったみたいな。そういうのがあって、本来なら、アルバムできました、40本ツアー出ます、途中、体力的には辛くなることはあるけど、酒飲んで“うりゃー!”ってやって、ツアーファイナルを大バコ(大きな会場)でやって、じゃあ明日から次のアルバムね!って感じだったんですけど、今回はちょっと休みたいってなってしまって(笑)。つまり、新しいコンセプトと結局こっち側が勝手に決めただけで、ファンのほうはそうじゃないんだ…ってことを目の当たりにして。で、どうしようかなぁっていうのがあった。
 それから2ヶ月ぐらい、メンバーには会わなかったりして、どうしようかなって。でも、やんないと始まらないので、アルバムは作ろうかなって。でも、もうスカパンクに戻れない自分もいたので、『SIX POTSHOT ROCKERS』よりもさらに、もっと素直に作っちゃおう、そうすれば何か見えるかもしれないなぁって。どっちにしてもモヤモヤしてたから、とりあえずやりたいものを作ってみようって感じで作り始めたんですよね。
 で、ついでに解散っぽいことも話しちゃうと、ここまで悩んでる姿をメンバーに見せたのは、たぶん初めてだと思うんですよ。これまでは、いつもメンバーは20曲入りのデモデープみたいのを渡されて、覚えなきゃいけないって。ツアーも50本とか切られてて、みたいな。文句とか意見があっても、やらなきゃいけない状態で“リーダー、突っ走っちゃってしょうがないな”っていう。小さい衝突はあったけど、それより目先のやるべきことがあったので、それなりに成立してたというか。
 今回はその間、何もしてない時期もあって、言葉は悪いですけど隙を見せるっていうか。そうすると、今まで溜まってたこととかを言い始めたし、耳に入ってくるし。逆に、悩んでるんだったら周りのメンバーでアイディア出して盛り立てようぜっていう、批判じゃなくて応援の意見もあって。でも、いま思えば、俺はこのバンドしかやったことがないので、いざみんなでアイディアを出し合ってやるってことになっても、そういう民主主義的なバンドに慣れてないから、それはそれで逆にストレスになっちゃって。そういうのが、まずありましたね。
 音のほうも結局、前作で新しいコンセプトだ何だってやったんですけど、今回のアルバムを作り終わって結局、やっぱりポットショットはスカパンクじゃなきゃダメなんだなぁって。じゃあ一旦やめましょうか、って」

メンバーを替えてまで続けてもなぁって。
今の6人が一番ポットショットだと思うし。

●ニューアルバム用に書いた曲は、新たなポットショット路線なわけですよね? でも進行中のツアーでは、なかなか思うほど受け入れられていないという悩みもありつつ、でもその路線でいきたい。だからニューアルバムは、やっぱり前作をより推し進めたスタイルになりますよね。で、解散が決まったのはニューアルバムが仕上がってから?

「2月に作り終わって、ツアーもありますって段階で、これはもうアカンなってことでメンバーに話して。3月の頭ですね。“ここらで、もう終わりかなって思うんだけど…”って」

●レコーディング作業においては、やりたいことやってるわけだから…。

「楽しいですよ」

●音楽以外の衝突は、今までやってきたように改善できるかもしれないし、音楽面では前作のツアーでは思うほどの感触は得られなかったけど、今回また行ったらわかってもらえるかもしれないし…っていう希望はあった?

「希望とか、賭けというか」

●実際はツアーに出る前に、そういう結論が出てしまったということは、やっぱり音楽とバンド運営の両面に限界が来たってこと?

「そうッスね…。音の面で言えば、これが自分にとって最高ってことは、もう今の自分はポットショットじゃないのかなって。要はスカパンクを選ばずに、自然に自分から出てくるものを素直に作ったらコレだった。で、メンバー間の関係も疲れちゃったかなって」

●“いや、解散しなくてもいいじゃん”っていうメンバーもいたり?

「音に関しては“リーダーのリョウちゃんがやりたいものをやるなら、それがポットショットなんだから変わっていってもイイじゃん”って言ってくれるメンバーも…っていうか、それに関しては全員がそうでしたね。でも“オレがやりたいの、好きじゃないでしょ?”みたいな面もあったりして。やっぱりスカパンクバンドに入ってきたメンバーであって、その頃は、みんながみんな同じ方向を向いてたと思うんですよ。だから、それがポットショットの強みだと思うし。でも今は自分だけが、勝手にどんどんいろんな音楽にハマり始めて、それをバンドでやり始めちゃって。それって、どうなのかなって。もう、ソロみたいなもんじゃないですか。だから、どうなのかなぁって。所詮、ポットショット=スカパンクだなぁってのもあったし。
 メンバー云々に関しては、民主主義的な方法論を取ろうって時期もあったし、今回の休んでいる間にも、そういうアイディアは出たけど結局、自分はワンマン的手法しか無理です、と。“じゃあ俺は辞めるから、でもポットショットは好きなバンドだからやっていってほしい”ってメンバーもいたし。でも、メンバーを替えてまでやってもなぁって。やっぱり今の6人が一番ポットショットだと思うし。ここでまた何人か入れ替えて、それはカッコいいのか!?っていうのもあって。結局、両方とも行き詰まって、結論が出た」

活動休止だと待たせてる感もあるし、
その間にやることがツナギ的に思われても
つまらないなと思って。

●当初から、ポットショット=リョウジ君というのがあって、なおかつスカパンクという看板があって、今のメンバーに固まって音楽的に成長してきて。そこで、やっぱりスカパンクじゃなくなったらポットショットとして矛盾というか、そこも含めてケジメをつけざるを得ないってことなのかな。他の人がいいよって言ってくれても。

「自分の中で、同じ一線でやれないというか。昔の代表曲と、今回のアルバムとか1コ前のアルバムの自分が好きな曲を、同じセットリストの中ではやりたくないなってのは正直あったりして。だったら、スカパンクをやりたくなるまで、一回終わりにしたほうがいいのかなって」

●スカパンクという看板がなければ、バンドとして変化していくことは普通だし、激変するときには2〜3作かかってその形が見えるというか、完成形ができるものだと思うんですよね。そういう点で、今のポットショットは、本当は過渡期ですよね。だから、解散という結果を出すには本当は早いのかもしれない。たとえば、もう一回バンド内の気持ちを固めるために、メンバーに他の活動を自粛してもらって、その代わり、みんなの曲を受け入れるという方法論はなかったんですか?

「それは…ダメだったんですよね。民主主義的なバンド、1/6なバンドに憧れてた時期もあるんですけど、結局は自分が慣れてないから、しんどくなっちゃうというのがあって。前に確か、みんなが加入した頃のポットショットとは違ってきてるから、これからやっていきたい曲は、ひょっとしたらみんなの趣味じゃないかも…っていう話はしたのかな。西海岸的なものは俺の中にないから、逆にそういうのはよそでやってください、と。その代わり、ポットショットではワガママ言わせてちょうだい、みたいな」

●民主主義的なやり方にトライした時っていうのは、音楽的にも?

「いや、音楽的にはやっぱり無理…だったかな。でも、ひょっとしたらバンドの運営論、方法論ってことになっていってたら、音楽的にもなってたかもしれないですね」

●自分としては、もちろんチャレンジしたわけですよね?

「メンバーはメンバーで、そんなボールもらってねぇよって感じだったんですけど(笑)。キャッチボールなかったじゃん、みたいな」

●1人だけ残るという選択肢も、きっとなかったんでしょうね。“いや、俺はやるよ”って言ってくれるメンバーもいるわけで。仮に1人でポットショットでも、結局スカパンクじゃないしってことだから、今後好きなことをやっていくためには、リョウジ君としては一回終わらせるしかなかった、と。でも、活動休止って言わないところが潔いですね。

「それもアイディアとして出たんですけどね。でも休止だと、待たせてる感もあるし、その間にやることがツナギ的に思われても、つまらないなと思って。だから一回終わらせて。で、やりたくなったらやりますから、スカパンク!みたいな(笑)」

●解散するしかなくなって解散するけど、円満解散ですね?

「そうッスね、基本は。盛り上がりましたからね、最後は“じゃあ、あと何できる?”みたいな話になりましたから」

●よく表向きの解散理由と本当の解散理由があったりするけど、たとえば誰かと誰かがもう修復不可能な仲になっているとかね。

「ドキッ(笑)」

●だから、そういうことではなく?

「そうなる前にっていうのはありましたね。それは寂しいじゃないですか、今までやってきたわけだし。これまでもケンカとかはありましたけど、そうは言ってもこの6人で5〜6年やってきたわけなので、そこまでならないで終わりたいというのもありました」

自分の中の一番カッコいいというのは
バンドブームの時の格好、つまりは
初期パンクの人たちがしてた格好。

●では、ニューアルバムの音楽的な内容について徐々に話を移していきますが、ちなみに趣味でアナログを集めるのと、自分の音楽性のためにCDを買うのとは、別の行為ですか?

「解散が決まった今は一緒になりましたね」

●レコードマニアとして、またはDJとして買うものと、やりたい音楽がカブるわけですよね?

「一時期は、勉強のためにホーンが入ってるバンドとかを買い集めてた時期もありましたね。それは、あくまでもアレンジとか新しいスカパンクのヒントがないかなと思って」

●今作とか前作でも影響が出ているブリティッシュビートに至った経緯は?

「もともと、初めて自分から音楽に目覚めたのが中学生の時のバンドブームで、ザ・ブルーハーツやジュン・スカイ・ウォーカーズ、ジギーとかも入るんですけど。性分なのか、勉強したくなるんですよ、“どうしてこの人はこのスタイルなんだろう”とか。で、インタビューとか読んでると、たとえばジュンスカなら、ラモーンズって言葉が頻繁に出てきて。で、ジギーとかG.D.フリッカーズだったら、ニューヨーク・ドールズやハノイ・ロックスってのが出てくるわけで、そしたらなけなしの小遣いで買いに行くわけですよ。そしたら、やっぱりルーツのインパクトや良さにハマッてしまって、そこからですね。そんなのことを語り合える友達とかは、いなかったんですけど(笑)。中学の時に初期パンとかを漁るようになってしまって。
 だから自分の中の一番カッコいいというのは、バンドブームの時の格好、つまりは初期パンの人たちがしてた格好で。それが一番カッコいい。一番最初に感じた、自主的に感じたセンスや感性、カルチャーが、初期パンクの音楽であり、スタイルだった。それがある一方で、世の中ではグランジが流行って、メロコアになるじゃないですか。でも、それはそれで周りの友達がそういう風だったから、それも並行して聴いてて。でも、いざやるって時には、その流行ってるほうを取ったというか、その時期はその最先端がカッコいいと思っていたんですよね。子供だったってのはあるんですけど、最先端がカッコいいって思ってた。だから初期パンクっていうのは、自分の中では過去のものになってて。
 で、Tシャツ、スニーカー、短パンが一番カッコいいと思って、ポットショットを始めて。でも、ある程度やり尽くしたところで、原点回帰というか初期パンに戻って。中学の頃は、お金がなくて買えなかったCDとかも買えるし。で、だんだん掘り出し欲みたいのが強くなってきて、初期パンのマニアっぽいものとかを買い漁って、それと同時に、ポットショットでもそういうのを取り入れたいなーってのが出てきて。
 その折衷案として、70年代のモッズリバイバルもの…ザ・ジャムとかだったら、今のポットショットに取り入れられるかなって。ホーンが入ってる曲もあるし。で、もうちょっと勉強していこうかなぁっていう中で、ジャムがルーツにしたのって何だろう、と。で、60年代のブリティッシュを聴いていったら面白くて。最初は参考的に、折衷案的に聴いていたのが、だんだん本チャンになってきたという」

●以前は、ポットショットと個人の引き出しが別になっていて、それがだんだん共通になってきたわけですよね。

「歳も重ねてきたので、もう分けてられないなぁと。長く続けようと思ったら、なおさらですね」

>>>その2

 


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