第20回「先輩音楽人に聞け!」は、そうる透さんです。
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■そうる透(SOUL TOUL)ドラマー
神奈川県横浜市出身。
5歳からドラムを始め、12歳で米軍基地関係の仕事その他で活動開始15歳からスタジオ・ワークを開始。
B’Z、GLAY、THE ALFEE、氷室京介、布袋寅泰、TM NETWORK、倖田來未、大塚愛、絢香ほかきりが無い程数多くのビッグ・アーティストのレコーディングやライヴに数多く参加。
レコーディングの参加曲は数千曲に及ぶ。
近年は吹奏楽の世界にも力を入れており、「ニューサウンズ・イン・ブラス」のレコーディングにも毎年参加している。
吹奏楽にポップスを広げようと、日本各地の吹奏楽団とのジョイントも数多く行う。
ameblo https://ameblo.jp/soultoul/
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文・インタビュー 佐藤ヒロオ(さとう ひろお)
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1962年9月18日生まれ。
毎晩、トッププロミュージシャンが演奏していることで全国的に知られるライブハウス「荻窪ルースター」のオーナー。著書「荻窪ルースター物語」、「ライブハウス
オーナーが教える絶対に盛り上がるライブステージング術」(ポット出版)がある。 |
荻窪ルースター http://ogikubo-rooster.com
バンドをやっている皆さんに参考になるお話をプロの先輩音楽人に聴くこのコーナー。
バンドにはライブにおいてはステージングの仕方だったり、MCの仕方だったり、衣装だったりと考えなくてはならないことがいっぱいです。
でもその前にもっと重要なことがある。
それはリズムです。
今回は日本最強のドラマーであるそうる透さんに音楽をやる上でいかにリズムが大切かを伺ってみました。
■バンドをやるにあたってリズム感はとても大切だと思うのですが、どれだけリズムが重要かということをまずは入口のようなところから伺いたいのですが。
なるほど。
では誰にでもわかるような簡単な質問をしてみましょうか。
のれるバンドとのれないバンド、どっちが聴きたいですか?
■それはもうのれるバンドのほうがいいですよね。
はい、ほとんどの方はそう答えると思います。
リズムってものすごくわかりやすい言葉で言うと、演奏者はもちろん、聴いている人がのれるかのれないかっていうことなんです。
もちろんバンドの音楽ってリズムだけでなく、伴奏やメロディや歌詞など様々な要素が重なり合っているわけです。
でも極端な話、リズム感が悪いバンドはほかの部分がどんなに優れていても全部を台無しになってしまうと言ってもいいでしょう。
■歌唱力やギターテクニックがいくらすごくてもそれではのれないということですね。
リズムだけでのれるんですよね。
その証拠にドラムだけで始まる曲の例があります。
マイケルジャクソンの「Billie Jean」。
これ、ものすごくシンプルなビートですけど、これ聴いただけで「あ、Billie Jeanだ」ってわかりますし、のせられちゃいますよね。
■たしかに。すぐわかりますね。
スティービーワンダーの「迷信」もドラムだけで始まりますが、これもすぐに迷信だってわかりますし、やはりイントロのドラムだけで聴いてる人はのせられちゃいます。
これが、もしリズムが悪かったらどうでしょうか?
聴きたくなくなっちゃいますよね。
で、イントロはドラムだけですが、その後、いろんな楽器が入ってきて歌も入ってきて。
それぞれが抜群のリズムなんです。
だから最高ですよね。
つまり、たとえば8ビートを叩いたり、弾くだけで、イントロだけでもうそのバンドはいけてるかいけてないかが決まってしまうんです。
歌を聴くまでもないし、歌詞を聴くまでもないんです。
■ものすごくわかりやすいお話です。
でもリズムがよくて歌もよくて伴奏もいいとなるとどうですか?
「かっこいい」って思わされますよね。
■ドラム以外のパートの人もリズム感をしっかり身につけたほうがいいということですね。
そうなんです。
バンドのリズムのかなめはドラムだと思われますが、ギターやピアノのイントロだったらどうでしょう?
ドラムが入るまでリズム悪いって気持ち悪いですよね。
先ほどのイントロがドラムだけでいきなりのせられる曲の話をしましたが、ギターやピアノだけで始まる曲のほうが多いですよね。
だからドラムに合わせるっていう前にメンバー全員がしっかりとしたリズム感を持ってないと、イントロでもういけてないってことになっちゃうわけです。
楽器っていろいろありますけど、どれだけ早く弾けるかとかこんなのが弾けるようになったとかの前にまずはリズム感こそが大事ということなんです。
極端な話、リズム感が悪い人はバンドをやらないほうが聴いている人のためになるのでやらないでくださいってくらいです(笑)。
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